こんにちは。
Wisbitのマーケティング担当の池田です。
前回、ナレッジ共有ツールを上手く活用できていないというお客様の解決事例についてご紹介しました。
ナレッジ共有については、他にも各社さまざまな事情を抱えています。
その中から今回注目したいのはこちらのご相談です。
「ナレッジはどうしたら集まりますか?」
ストレートなご相談ですが、実は、ナレッジ共有ツールを導入している・していないに関わらず、弊社には非常に多く寄せられるお悩みです。
ナレッジが集まらない理由にはさまざまな要因がありますが、本質を追求すると理由はいくつかに絞られてきます。
今回は、“見切り発車”してしまったが故にナレッジ共有にご苦労されているお客様の事例をご紹介します。
📌 この記事のポイント
- 食品卸売会社B社様の事例から見る、ナレッジが集まらない背景
- 経営層と現場担当者の認識の食い違い、対象範囲とゴールが曖昧な状態
- 関係者がナレッジ共有の目的について共通認識を持つための進め方
- モデルケースや投稿ルール、少人数のチームから蓄積を始める方法
- Wisbit AI FAQによるFAQ候補の作成、確認・承認、利用ログや検索状況をもとにした改善
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第1章 食品卸売会社 B社様 のお悩み

B社は業務用の食品卸売会社で、複数の支店・営業所を持つ組織構成です。
ご相談をいただいたのは、ある営業所の所長でした。
「営業所間で仕入や営業の情報を共有できるようにしたい」というものでしたが、経営層からの指示を受けて営業ナレッジの共有に適したツールを探しているということでした。
ところが、本人はあまり乗り気ではないようです。
お話を伺ってみると、社内ではグループウェアを利用しており、所長としてはこのグループウェアを営業所間のナレッジ共有にも活用したいという考えがあるようなのです。
なるほど、経営層と担当者とでは、ナレッジ共有に対する認識やアプローチの仕方に食い違いがある
ようですね。
※グループウェアとは・・・ 社内の情報共有ツールの一種で、スケジュール、設備予約、タイムカードなどの機能があり、日常業務を効率的に行うためのツールです。
第2章 現状分析から見えてきた2つの問題点

更に詳しくお話を伺ったところ、次のような現状が明らかになってきました。
【現状1】目指すべき方向性が曖昧になっている
B社では、1年前にグループウェアを導入し、全社による本格的な利用をスタートさせたのは1ヶ月前とのこと。
程なくして営業所間のナレッジ共有プロジェクトが発足したそうなのですが、
グループウェアにはテーマごとに意見交換や情報共有ができる機能も備えていることから、それならばグループウェアで運用してみようということになったとのことでした。
しかし、全社的には初めての試みのため、担当者自身が手探り状態のまま現在に至っているようです。
ここまで伺ったところで、グループウェアを活用するというアイディア自体は良いのではないか
と思いましたが、ナレッジ共有をスタートさせた時点の状況としては気になることが2点ありました。
- 対象範囲を広げ過ぎている
- ゴールを設定していない
最終的に仕入や営業の情報を共有したいのは全営業所の所属社員としても、スタート時点では対象者を絞るべきだったのではなかったかと思います。
また、ナレッジ共有によってどのような状態になっていてほしいのか、具体的な成果のイメージを描けていないようにも思えました。
【現状2】立場により考え方に違いが見られる
プロジェクトが発足した時点では、グループウェアでナレッジ共有を行う方針に経営層・担当者とも異論はありませんでした。
しかし1ヶ月が経過したところで、経営層はグループウェアでは成果が見込めないと判断し、専用ツールを検討するよう担当者に指示が下りたとのことです。
経営層の方針に従ってプロジェクトを進めることにしたものの、担当者の本音としてはもう少し継続したいという思いがあるとのことでした。
担当者がおっしゃる通り、確かに1ヶ月で結論付けるのは性急な気がしますし、実際、弊社のお客様の場合でも成果を実感していただけるまでには3ヶ月くらいかかっています。
経営層の立場であれば、コストの観点からも既存資産を有効活用しようとするのが一般的でしょう。
しかし、経営層が考えることですから、専用ツールの導入を検討しようという判断に至った
深い考えが何かありそうです。
あるいは経営層が現場の状況を正しく理解できていないという可能性もあるのではないでしょうか。
いずれにしても担当者が疑問を持ったままプロジェクトが進行しているため、なぜナレッジ共有が必要なのか、なぜそれをしなければならないのか、営業所の社員まで落とし込まれていないのでは、という印象を受けました。
【現状のまとめ】
現状をまとめると以下のような図式が見えてきました。
- 経営層と現場担当者の意見に食い違いがあり、共通認識が持てていない
- (1.の結果として)目指す方向性が曖昧のまま、見切り発車してしまっている
第3章 見切り発車した現状を修正するには共通認識を持つこと

現状を詳しくお伺いしたところで、お客様には次の2点を解決策としてお伝えし、実践していただくことにしました。
【解決方法1】関わる全ての人がナレッジ共有に対する共通認識を持つ
これができれば、ナレッジ共有はほぼ成功と言っても間違いではないほど、重要なポイントです。
それには、お互いが納得のいくまで議論を尽くすしかありません!
その上で、担当者の立場でできることとしては、次の2点ではないでしょうか。
- 経営層の考えをしっかり聞いて理解する
- 経営層の理解を得るために現場の状況を正しく伝える
実は、お話をお伺いする中で、担当者はこんなことをおっしゃっていました。
「ナレッジが集まらないのは、グループウェアの本格導入から1ヶ月しか経っていないため、操作自体にまだ慣れていないからなのでは」
ぜひ経営層にお伝えするべきですが、個人的見解として伝えるより客観的な裏付けをプラスすると説得力が増します。
例えば、ナレッジを登録しない理由についてグループウェアの利用者にアンケートを取るなどして観的な情報を収集するというのでもよいでしょう。
グループウェアにはアンケート機能が備わっていることも多いので活用してみてもよいのではないでしょうか。
【解決方法2】モデルケースを作り目指すべき姿をイメージしてもらう
全ての関係者が同じ方向を向いてプロジェクトを進められることが確認できたら、ようやくナレッジを集めるための具体的な対策です。
ナレッジが集まらない理由は、ユーザーが具体的にどんなアクションを起こしてよいのかイメージできていないからということが考えられます。
そこで、どのような情報がナレッジとなり、それらをどのように登録したらよいのか、まずはお手本となるナレッジを登録することから始めることにしました。
また、自由度が高いことが必ずしもナレッジが集まりやすいとは限りませんので、投稿時のフォーマットやプロセスなど、ナレッジ共有におけるルールについても同時に検討していただくことにしました。
ルール化により定型化された情報は、ナレッジの閲覧者側にとっても情報を検索する時間を短縮できるメリットがあります。
これらのミッションを遂行するにあたり、担当者が所属する営業所の対象部門から数名をアサインしていただくようお願いしました。
ナレッジの登録にあたっては、誰かが任意で投稿するのではなく、期間を設定してメンバーは1日1件必ず投稿するなど、ナレッジが蓄積される工夫もしていただくことにしました。
更に、関係者の理解を得るため、利用者の方々にもナレッジ共有の目的をしっかりと周知することも忘れず行っていただくことを徹底していただきました。
第4章 ナレッジ共有を継続するためのWisbit AI FAQ活用

ナレッジが集まらない状態を改善するには、共通認識を持つことに加え、ナレッジを整理し、確認・承認し、利用状況を見ながら更新する流れを整えることが重要です。
ここでは、B社のように既存のグループウェアを活用している企業でも検討できる、Wisbit AI FAQの活用方法をご紹介します。
既存資料をもとにFAQ候補を作成する
Wisbit AI FAQは、マニュアル・規程集・業務手順書などをもとに、FAQ候補の作成を支援します。
B社の事例のように、対象部門の資料やサンプルデータをもとに、どのような質問と回答を整備するかを具体化することで、モデルケースを作る際の土台にできます。
既存資料をもとにFAQ候補を整理し、最初に登録する情報を具体化することが、ナレッジ共有を始める第一歩になります。
確認・承認を経て回答品質を整える
作成したFAQ候補は、担当者が内容を確認し、必要に応じて修正したうえで承認してから利用する流れを整えます。
確認・承認を経てから公開することで、ナレッジの内容を関係者の共通認識に合わせ、回答品質を整えやすくなります。
利用ログや検索状況をもとに改善を続ける
公開後は、利用ログや検索状況を確認し、どの情報が見られているのか、どのようなキーワードで探されているのかを把握します。
その結果をもとに、必要なFAQの追加や内容の更新を進め、利用者が必要な情報へたどり着きやすい状態を目指します。
利用状況をもとに改善を続けることで、ナレッジを登録して終わりにしない運用につなげられます。
まとめ
ナレッジが集まらない原因は、ナレッジ共有ツールの有無だけではありません。B社の事例では、経営層と現場担当者の間で目的や進め方の共通認識が持てず、対象範囲やゴールも曖昧なままプロジェクトが始まっていました。
ナレッジ共有を進めるには、まず関係者が目的を共有し、現場の状況を客観的に把握することが大切です。そのうえで、対象者を絞り、モデルケースや投稿ルールを用意して、具体的な登録方法をイメージできる状態をつくります。
また、ナレッジを蓄積して活用し続けるには、既存資料をもとにFAQ候補を作成し、担当者による確認・承認を経て公開する流れが役立ちます。公開後も利用ログや検索状況を確認し、必要な情報の追加や更新を続けることが重要です。
こうしたFAQ運用を支援する選択肢として、Wisbit AI FAQの活用を検討できます。
